8月9日からBUNKAMURAで開催される「ピーターラビット展」が始まりました。

井上 麻佐子

8月9日からBUNKAMURAで開催される「ピーターラビット展」が始まりました。

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昨年、生徒さんたちと一緒に、イギリス湖水地方を訪ねました。内部の写真は撮れませんが、ピターラビットの世界そのままです。

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著者のベアトリクスポターの生きた時代は、イギリスでも封建的な良妻賢母が求められるヴィクトリア時代。ベアトリクスの生家は、いわゆる上位中産階級です。貴族ではないけれど、両親は、その両親から受け継いだ資産で豊かな生活をしています。父親は弁護士ですが、弁護士としての仕事はほとんどしなくても充分暮らしていける一家でした。その頃の良家の子女は、学校に行くことはなく、家で家庭教師から勉学を学びます。ベアトリクスもその一人でした。彼女は人間のお友達もいない幼年期を過ごします。でも、彼女には、小さな動物たちのお友達がいました。その観察力と確かなデッサンの才能から、すぐにピーターラビットが生まれたのかというと、そういうわけではありません。彼女が情熱を燃やして研究したのは、「きのこ」。この時代、博物学が大流行し、貝殻や岩石の研究がブームになります。上流階級の家には顕微鏡が一家に一台あったと言われています。ただ、女性が男性に混じって、本気で研究者になることなどできない時代。挫折の中に、小動物を描く喜びを見い出したのです。もし、世の中が違っていたら、彼女はきのこの研究者となり、私たちはピーターラビットたちと出会えなかったかもしれないのですね!

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