ヘンリ−8世とその娘、エリザベス1世

井上 麻佐子

チューダー朝の王様として、まず、頭に重思い浮かぶのは、ヘンリ−8世とその娘、エリザベス1世ですね。

薔薇戦争が終止符を打ち、チューダー朝を開いたヘンリ7世は、アーサーに、当時、ヨーロッパで最も繁栄していたスペインからお妃 キャサリン オブ アラゴンを迎える準備をしています。 ところが、新婚間もなくアーサーは急逝。 せっかくもらった大国からのお妃を、ヘンリ−7世は、そのまま、留まらせ、結局、弟ヘンリー8世が戴冠式の時に、キャサリンを妻とします。

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この年上のキャサリンとの間に生まれたのが、強行なカリック信者であるマーガレット。

しかし、キャサリンの後、ヘンリ−8世は、なんと、5人の女性をお妃に迎えます。
当時、カトリックでは、離婚が認められておらず、この、離婚&結婚劇こそが、今でも、英国王室に受け継がれている英国国教会を作った理由です。
英国国教会を樹立し、その頂点に立ったヘンリ−8世は、キャサリンの女官であった、アン ブーリンと結婚。 結局、ヘンリ−8世によって処刑されてしまう、このアンブーリンとの間に生まれたのが、今も、映画のヒロインとして取り上げらえる、エリザベス1世です。

ヘンリー8世の時代、国は、次第に、1つのまとまったものとなり、住居は、それまでの攻撃から身を守る場所ではなく、住み心地を重視し、開口部の大きなものとなっていきます。
ヘンリ−8世は、カトリックを弾圧。 たくさんの修道院が閉鎖されていきます。 そして、その広大な土地を、側近の重臣たちに分け与えられ、これが、今のカントリーハウスの礎となるのです。

ちなみに、マナーハウスは、もっと昔。荘園制度を敷いていた頃の土地の長の住居です。 カントリーハウスよりは、規模が小さくなりますが、玄関先にホールと言われる場所があり、そこが集会所の役割も果たしていたようです。

ヘンリ−8世は、大変なグルメでしたが、老年には太り過ぎとの戦いだったようです。 サーロインステーキは、ヘンリ−8世が、とてもおいしい肉に、「sir(さー)」の称号をつけてしまったところからきているとも言われています。

若い頃は、かっこよく、国民の憧れだったヘンリ−8世は、欲にまみれて国を動かした人でもあったのですね。

次は、エリザベス1世です。

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井上麻佐子のプロフィール

井上麻佐子井上 麻佐子 (いのうえ まさこ)
株式会社ザ・ブーケ 代表取締役

慶應義塾大学 経済学部 卒業後
モルガン銀行 リーマンブラザーズ証券会社 勤務
イギリス在住を経て、
株式会社ザ・ブーケ代表取締役に就任。現在に至る。

外資系金融業界を経て、イギリスにて、花装飾と生活芸術の世界と出会い、
1988年より、ヨーロッパ上流社会の生活の中での芸術、文化、習慣を学ぶ。
帰国後、花装飾の仕事とともに、2009年より、The Art of Living(生活芸術)の講座、
講演、および、執筆活動を行い、ヨーロッパの行事、習慣などを、様々な角度から、そのストーリーととも伝える活動に従事。
旅行に行ったり、映画を見たり、絵画を鑑賞したりする、現在に生きる私たちの楽しみが、より深くなる、楽しいヨーロッパの歴史、習慣をわかりやすく紹介。
美術館鑑賞 他、多数のイベントを企画。
2013年〜2015年 NHKラジオ第1 「ごごまり〜」レギュラー出演
〜暮らしに華を〜担当:毎回、ヨーロッパの伝統文化、習慣などを生放送で解説
2014年、2015年と、講座受講者とともに行く、「イングランド、スコットランドのツアー」を開催している。

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