フランス料理の歴史その1

井上 麻佐子

暑かったり、豪雨だったりと、天候不順な毎日ですが、神楽坂女子倶楽部では、8月に、恒例の「女子限定!夏のランチ交流会」がニューオータニで開催されるとのこと。

そこで、この数回は、フランス料理の歴史とフォーマルディナーのメニュー構成について、お話ししします。

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プロトコルでも決められている正餐は、どこの国でも、フランス料理と決められています。 世界に誇る美食の国フランスの料理も、元はと言えば、洗練されたイタリア フィレンツェで供されていた食文化が礎とされています。

その立役者は、もちろん、アンリ2世にお嫁に来た、カトリーヌ・ド・メディチです。 彼女がいなければ、今のフランス食文化は違っていたと言っても過言はありません。

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が、私は、それをお膳立てしたフランソワ1世のことも忘れてはならないと思っています。 なんと言っても、晩年、少々イタリアで冷遇されていたレオナルドダヴィンチをフランスに呼び寄せたのも、フランソワ1世なのですから。 今では、ルーブル美術館で、フランスの宝として公開されている「モナ・リザ」は、アンボワーズに呼ばれたダヴィンチがイタリアから抱えて持ってきたものです。 フランソワ1世のお呼びよせがあったからこそのことですよね。

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中世の時代。それまで、食事は手づかみ。 調理内容といえば、ローストした肉や茹で野菜、タイユヴァンの考案したシチューくらいだったフランスに、カトリーヌ・ド・メディチは、ソースをそれた料理、豊富な食材、調理器具、デザート、リキュール、そして、当時、金にも匹敵する高価な香辛料などなど、今の料理にも欠くことのできない様々なものをもたらします。 さらに、個人用のナイフとフォークを使うテーブルマナーをもたらします。 これにより、食事を美しく取れるようになると、それまで男性にした許されなかった宴へ女性たちも参加するになり、パーティーはとても華やいだものになっていくのです。
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井上麻佐子のプロフィール

井上麻佐子井上 麻佐子 (いのうえ まさこ)
株式会社ザ・ブーケ 代表取締役

慶應義塾大学 経済学部 卒業後
モルガン銀行 リーマンブラザーズ証券会社 勤務
イギリス在住を経て、
株式会社ザ・ブーケ代表取締役に就任。現在に至る。

外資系金融業界を経て、イギリスにて、花装飾と生活芸術の世界と出会い、
1988年より、ヨーロッパ上流社会の生活の中での芸術、文化、習慣を学ぶ。
帰国後、花装飾の仕事とともに、2009年より、The Art of Living(生活芸術)の講座、
講演、および、執筆活動を行い、ヨーロッパの行事、習慣などを、様々な角度から、そのストーリーととも伝える活動に従事。
旅行に行ったり、映画を見たり、絵画を鑑賞したりする、現在に生きる私たちの楽しみが、より深くなる、楽しいヨーロッパの歴史、習慣をわかりやすく紹介。
美術館鑑賞 他、多数のイベントを企画。
2013年〜2015年 NHKラジオ第1 「ごごまり〜」レギュラー出演
〜暮らしに華を〜担当:毎回、ヨーロッパの伝統文化、習慣などを生放送で解説
2014年、2015年と、講座受講者とともに行く、「イングランド、スコットランドのツアー」を開催している。

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