English Breadfast 3

井上 麻佐子

今日も、英国のブレックファーストのお話です。

洋朝食には、必ず出てくるトーストですが、イギリスのトーストはとっても薄くて正方形のブラウンブレッドが一般的です。 日本でいういわゆる白い山型の「イングリッシュブレッド」はあまり見かけません。 薄いブラウンブレッドがシルバーのトーストスタンドに乗せられているところを見ると、イギリスの朝食だなぁ。。と感じます。 このスタンド、隙間が細いことが多いので、日本で使うために購入するのでしたら、日本サイズのパンも入るかどうかチェックすることがポイントです。

img_070714

トーストにつけるジャムといえば、マーマレード。 マーマレードは朝のジャムです。 アフタヌーンティーには出てきません。 そして、マーマイト。 このほとんど日本では見かけないマーマイトはビールの酵母を主原料としたもので、とってもしょっぱい! イギリス人にとっては大好きな懐かしい味だそうですが、日本人で好きだという人に会ったことはありません。 そうはいっても、せっかくですから、イギリスに行ったら、ぜひ、チャレンジです!

さあ、これにオレンジジュース、フルーツ、ヨーグルト、などなど、十分にお腹を満たす、この朝食。 もともと、13世紀頃からの貴族のおもてなしからスタートしますが、その豪華さはスチュアート王朝の最後のアン女王時代、最高潮に達します。 彼女は、お酒も大好き、グルメにしてグルマン(大食漢)。 朝食のリクエストも、次第に増えて、最終的には、毎朝、8皿もの食べ物が出されたと言われています。 それはのちの産業革命の時代に労働力の源として労働者階級にも浸透していき、国民的ブレックファーストとなるのです。

調理のない(冷たい)ものしか出て来ないいわゆるコンチネンタルブレックファーストとはずいぶん違う、豪華なイングリッシュブレックファースト。

忙しい現代、ほとんどのイギリス人はこんな優雅な朝ごはんを食べているわけではありません。 でも、イギリスに旅したら、ぜひ、作家サマセット・モームに「イギリスでは朝ごはんが3食出てきたらいいのに。。」と言わしめた伝統的な朝食を味わってみてはいかがでしょうか。

**************************************

アート オブ リビングでは、白金台にて、お仕事の時の何気ない会話にも役立つ教養を楽しく学ぶサロンを開催しています。 maco-style.jp

井上麻佐子のプロフィール

井上麻佐子井上 麻佐子 (いのうえ まさこ)
株式会社ザ・ブーケ 代表取締役

慶應義塾大学 経済学部 卒業後
モルガン銀行 リーマンブラザーズ証券会社 勤務
イギリス在住を経て、
株式会社ザ・ブーケ代表取締役に就任。現在に至る。

外資系金融業界を経て、イギリスにて、花装飾と生活芸術の世界と出会い、
1988年より、ヨーロッパ上流社会の生活の中での芸術、文化、習慣を学ぶ。
帰国後、花装飾の仕事とともに、2009年より、The Art of Living(生活芸術)の講座、
講演、および、執筆活動を行い、ヨーロッパの行事、習慣などを、様々な角度から、そのストーリーととも伝える活動に従事。
旅行に行ったり、映画を見たり、絵画を鑑賞したりする、現在に生きる私たちの楽しみが、より深くなる、楽しいヨーロッパの歴史、習慣をわかりやすく紹介。
美術館鑑賞 他、多数のイベントを企画。
2013年〜2015年 NHKラジオ第1 「ごごまり〜」レギュラー出演
〜暮らしに華を〜担当:毎回、ヨーロッパの伝統文化、習慣などを生放送で解説
2014年、2015年と、講座受講者とともに行く、「イングランド、スコットランドのツアー」を開催している。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

ページ上部へ戻る