ヨーロッパも少しずつ春の気配を感じるようになりました

井上 麻佐子

イースターも終わり、ヨーロッパも少しずつ春の気配を感じるようになりました。 だんだん、イギリスを訪れる観光客も増えてくる季節です。

イギリスを旅する前に、読んでいただけたらと思い、ここからしばらく、英国王室について、お話しします。

英国王室の始まりは、「ウィリアム征服王」と呼ばれる王様が、イングランンドを征服するところから始まります。 1100年頃のことです。

今日は、そのイギリス王室ができる前のお話。。

もともと、紀元前5世紀頃にやってきて土着した民族は、主にケルト人でした。
ケルト人は、鉄器と共に、ヨーロッパにやってきた民族ですね。
それ以前、グレートブリテンで一番有名なのは、ストーンヘンジ=巨大な石がたくさん並んだもの。。もう、こんなに古くなると、私も目が点になるだけです。。
わかることといえばイングランドに石器時代が存在していたということぐらいでしょうか。

20160414_1(ウィキペディアより)

その後、古代ローマ時代、ローマ人たちがイギリスにやってきます。 その頃に作られたものにローマン風呂(テルマエロマエ的な!)があり、今でも、ロンドンから1時間半ほどのところになる、その名もBATHに行けば、見ることができます。

20160414_2(2014年 アート オブ リビングの生徒さんたちとの英国旅行で
Bathにも行きました。その時、撮影したもの。)

また、「なんとかチェスター」という地名がつく所(もちろん、チェスターもそうですし、コルチェスターなど)は、ローマ人たちがその時代、城壁で町を囲み、人々を守っていた歴史のある場所だということがわかります。

ちなみに、この時代、スコットランドからの侵入を防ぐために境界線付近に長い壁が作られ(万里の長城みたいなもの)、この地域をローマ人たちは「ブリタンニア」と呼びました。 これが、「ブリテン島」の起源。

さらに、彼らが作ったテムズ川沿いの「沼地の砦」を意味する交通の要所をケルト語で「ロンディニウム」と言い、これが、今の「ロンドン」の語源だと言われています。 確かに、今でも交通の要所であることは変わりないですね。

その後は、ローマ人がブリタニアでの植民地活動をあきらめて撤退すると、アングロ・サクソン人の小国がいくつか出来、次第に、王国の形が形成されてきます。 「アングリア=アングル人の土地」は、すなわち「イングランド」のことです。 大英博物館に行ったら、何万点もある中から、ぜひ、見てきてほしいものの一つに「サットン・フーの遺跡」があります。 サットン・フーという場所で見つかった、イースト・アングリア王国の船葬墓で、豪華絢爛な金銀の出土品を見ることができます。 この時代の出土品は極端に少なく、貴重な資料なのです。

20160414_3(こちらは、2015年のアートオブリビングの生徒さんたちとの
スコットランド イングランドツアーの際に大英博物館で撮ったもの。)

イギリスは日本と同じ島国。 この時代、次第に、海の向こうから侵略者たちがやってきます。 デンマークから、いわゆるヴァイキングであるデーン人。 そして、ドーバー海峡の向こう側からは、ノルマンディー公を頂点としたノルマン人です。

アングロサクソン王家、デーン王家、そして、ノルマン人。。この戦いで、イングランドを征服したのは、フランスからやってきた「ノルマンディ公爵ウィリアム」だったのです。
英国王室に入るまでのお話。。。ちょっと長かったですね。
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井上麻佐子のプロフィール

井上麻佐子井上 麻佐子 (いのうえ まさこ)
株式会社ザ・ブーケ 代表取締役

慶應義塾大学 経済学部 卒業後
モルガン銀行 リーマンブラザーズ証券会社 勤務
イギリス在住を経て、
株式会社ザ・ブーケ代表取締役に就任。現在に至る。

外資系金融業界を経て、イギリスにて、花装飾と生活芸術の世界と出会い、
1988年より、ヨーロッパ上流社会の生活の中での芸術、文化、習慣を学ぶ。
帰国後、花装飾の仕事とともに、2009年より、The Art of Living(生活芸術)の講座、
講演、および、執筆活動を行い、ヨーロッパの行事、習慣などを、様々な角度から、そのストーリーととも伝える活動に従事。
旅行に行ったり、映画を見たり、絵画を鑑賞したりする、現在に生きる私たちの楽しみが、より深くなる、楽しいヨーロッパの歴史、習慣をわかりやすく紹介。
美術館鑑賞 他、多数のイベントを企画。
2013年〜2015年 NHKラジオ第1 「ごごまり〜」レギュラー出演
〜暮らしに華を〜担当:毎回、ヨーロッパの伝統文化、習慣などを生放送で解説
2014年、2015年と、講座受講者とともに行く、「イングランド、スコットランドのツアー」を開催している。

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