明るく楽しいカーニバルについて

井上 麻佐子

クリスマスは国中をあげてお祝いする日本ですが、まだまだ、なんとなく知っている程度のイースター。そして、明るく楽しいカーニバルについてお話しします。

イエス キリストが生まれたクリスマスに対し、イースターは、磔にあったキリストが復活した日。 キリスト教徒にとっては、クリスマス以上に大切な日となります。

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復活祭の日は、毎年、春分の日(3月21日)を過ぎた最初の満月の日の後に来る最初の日曜日、つまり、毎年、日曜日ではありますが、日にちが違うのです。 さらに、キリスト教の中でも、使っている暦が違うため、教派の異なる東方教会と西方教会でも、日にちが違うのです。 今年は、西方教会が、3月27日、東方教会が5月1日。 3月27日は、例年に比べてかなり早い時期となります。

イースターサンデーまでの40日間(除く 日曜日)は「断食」という期間になります。これはイエスキリスとが40日間断食したことにならってのこと。 その最初の日が「灰の水曜日(アッシュ ウエンスディ)」となります。

その水曜日がやってくる前の数日から一週間が「謝肉祭(カーニバル)」となるわけです。 カーニバルという言葉は、もともと、「肉よ、さらば!」という意味があり、これからやってくる苦しい断食の前に お腹いっぱいご馳走を食べて楽しもう!という時間なのです。
ヴェニスの仮面舞踏会などは、仮面をすることにより、匿名性が高まり、断食を控えたこの時ばかりは、昔は身分の違い、今は社会的しがらみから抜け出し、自由な気持ちで楽しもうとするものなのです。
日本的に言えば「楽あれば苦あり」に近いところでしょうか。
陽気で明るく楽しいカーニバルにも、そんな意味合いがあったのですね。

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井上麻佐子のプロフィール

井上麻佐子井上 麻佐子 (いのうえ まさこ)
株式会社ザ・ブーケ 代表取締役

慶應義塾大学 経済学部 卒業後
モルガン銀行 リーマンブラザーズ証券会社 勤務
イギリス在住を経て、
株式会社ザ・ブーケ代表取締役に就任。現在に至る。

外資系金融業界を経て、イギリスにて、花装飾と生活芸術の世界と出会い、
1988年より、ヨーロッパ上流社会の生活の中での芸術、文化、習慣を学ぶ。
帰国後、花装飾の仕事とともに、2009年より、The Art of Living(生活芸術)の講座、
講演、および、執筆活動を行い、ヨーロッパの行事、習慣などを、様々な角度から、そのストーリーととも伝える活動に従事。
旅行に行ったり、映画を見たり、絵画を鑑賞したりする、現在に生きる私たちの楽しみが、より深くなる、楽しいヨーロッパの歴史、習慣をわかりやすく紹介。
美術館鑑賞 他、多数のイベントを企画。
2013年〜2015年 NHKラジオ第1 「ごごまり〜」レギュラー出演
〜暮らしに華を〜担当:毎回、ヨーロッパの伝統文化、習慣などを生放送で解説
2014年、2015年と、講座受講者とともに行く、「イングランド、スコットランドのツアー」を開催している。

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